升永ブログ

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広島高裁判決、本日上告しました

 広島高裁判決は、(47の都道府県が小選挙区選出の衆議院議員一人を自動的に選出してしまう)「一人別枠制」が前回の衆議院議員小選挙区選挙が違憲・違法である大きな理由である、として、「前回衆議院議員小選挙区選挙を違憲・違法」と判断しました。この広島高裁の違憲判決は、大阪高裁の違憲判決に次ぐもので、これから続く全国6つの高裁裁判(①福岡高裁那覇支部〈同/39日、②東京高裁第4民事部〈同/311日〉〉、③福岡高裁〈同/312日〉、④名古屋高裁〈同/318日〉、⑤高松高裁〈同/未定〉、⑥札幌高裁〈同/未定〉)の流れを創った歴史的な判決です。

にもかかわらず、原告は上告しました。

判決文の中は、投票価値の不平等が2倍未満であれば、合憲であると読めるような個所があります。これはオカシイと思います。男性は1票、女性は0.9票と定めた選挙法があったとしましょう。20095月に、原告代理人は、25人の女性、19人の男性に、「こんな選挙法があったとしたら、それを”よし”としますか?」という質問をしました。19人の男性、25人の女性全員、「それは、オカシイ」という回答でした。 『性別によって差別すること』は、不正義だからです。その正義感は男性も、女性も同じでした。 ところが、選挙権は、住所によって、差別されています。高知3区の人の選挙権は一票(一人の衆議院議員を選出する小選挙区の人口:252,840人)、広島1区(一人の衆議院議員を選出する小選挙区の人口:377,758人)の人の選挙権は0.67票(0.67214,484÷310,364)です。

一票の格差の問題は、他人事のように議論されていますが、実は、自分事なのです。広島1区の人は、”清き1票”ではない”清き0.67票”しか持っていないのです。これは、民主主義ではありません。もう一度言います。広島1区の人の選挙権は、”清き0.67票”でしかないのです。民主主義を定める憲法は、国民一人一人に、一人一票を保障しています。

1983年米国連邦最高裁判決は、連邦下院議員選挙に於ける1票対0.993票の不平等(又は11.007倍の一票の格差)さえ、違憲・無効と判決しました。日本の従来の最高裁判例と何と3桁の差があります。

「人間は皆平等に生まれている」、「一人一票」という民主主義のルールは、アメリカであろうと、日本であろうと同じです。

 

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