第7 最後に

(1) 最高裁判所裁判官に対する国民審査権(憲法79条)は、日本の現状の下では、「一人一票」の民主主義を実現するための唯一の手段である。

(2) 司法が国家の中で果たすべき重要な役割は、違憲立法審査権という「法の支配」の実現手段を行使して、日本を「一人一票を土台とする民主主義国家」にすることである。

(3) 多くの国民は、これまで、最高裁裁判官に対する国民審査の際の投票用紙に×印を記入する行為が、『参政権』の行使であることを知らなかった。国民の相当な人々が「国民審査の際の用紙への記入行為が『国民審査権』の行使である」と知るようになれば、日本の将来は、明るい。

(4) 「一人一票」未満の「一人前以下の日本人」も、「一人一票」の「一人前の日本人」もない。皆同じ「一人一票」の「一人前の日本人」である。同じ日本国民の中に、一票未満の「二流市民」があってはならない。

(5) 我々日本人は、自覚的に「国民審査権」を行使することによって、日本を民主主義国家に変えるという歴史を書くことができる。現在と将来の日本の為に。

以上



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