升永ブログ

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「選挙が、民主主義国家の心臓だ」と知った

「選挙が、民主主義国家の心臓だ」と知った

「選挙が、民主主義国家の心臓だ」と知った

私は、1978年、コロンビア大学ロースクール(法科大学院)に留学した。日本の衆院選では公示から投票日まで、最短で12日間である。しかし、米大統領選の選挙運動はとてつもなく長い。私は、米国人の級友になぜなのか聞いた。

彼いわく、

「大統領選は、選挙という形式をとっているが、実は、共和党支持者の国民と民主党支持者の国民の間の戦争なんだ。南北戦争は、国民同士が南と北に分かれて戦った。50万人超もの死者が出た。これに懲りて、米国民は、政治の意見の争いは、選挙で解決することにした。大統領選で過半数の得票を得たグループが大統領を選び、向う4年間、行政権を独占するのだ。

だから、予備選を含めると2年半超もの長期間、国民は、次の大統領選で過半数を得票すべく、草の根で、議論をし、選挙運動をやっている。

それにしても、日本の公示から投票日までの期間が12日間とは驚いた。12日でどうやって選挙をやるのかね?」と。

私はこの時初めて、「選挙が、民主主義国家の心臓だ」と知った。感動した。

私は、たまたまこの情報を知った者として、これを他に伝える責任があると思った。

 

この情報を知った者の責任として

コロンビア大学法科大学院の級友と交わした米大統領選についての話の時から31年経った。

私は、2009年に死を基準として物事を考えることにした。2009年に、私は、一人一票に賛同してくれた仲間と共に、【人口比例選挙を実現して日本を民主主義国家にしよう】と人口比例選挙訴訟(一人一票訴訟)を提起した。

2009年~今日の間(13年間)、私たちは、累計8回の国政選挙毎に、全国の14個の高裁に提訴し、その結果、120個の高裁判決が出た。それらは上告され、8個の最高裁大法廷判決が出た。2022年内に9個目の最高裁判決が言渡される見込みである。

 

山は動き始めた

卑弥呼(239年AD 魏志倭人伝)以降今日までの1783年間、日本人は、日本人の過半数の意見で、行政の長(天皇、将軍、総理大臣)を決めた経験がない。主権を有する国民が、国民の過半数の意見で、行政の長(内閣総理大臣)を決めることは、日本人は、未経験である。

これを実現することが容易でないのは、当然である。

とはいえ、8個の最高裁大法廷判決の結果、選挙法が改正され、下記A~Bの通り、日本の国家の仕組みが変わり始めた。

A 2009年、衆院選の1票の格差は2.3倍であった。人口比例選挙とは、1票の投票価値に格差がない選挙である。つまり、1票の格差2.3倍の2009年選挙は、非人口比例選挙である。この2009年の非人口比例選挙(1票の格差2.3倍)により、全人口の46%が、全衆院議員の過半数(50.1%)を選出した。

B 2022年、10増10減の選挙区割りの改正により、衆院選は、全人口の48.1%が全衆院議員の過半数(50.1%)を選出する選挙区割りとなる。

(ただし、人口比例選挙では、全人口の50.1%(過半数)が全衆院議員の過半数(50.1%)を選出する。)

 即ち、人口比例選挙に、残り2%差(2%=50.1%-48.1%)まで肉薄することになる。あと一息(全人口の2%の差)である。

 山は動き始めた。

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