升永ブログ

升永ブログ

【1人1票裁判(2021衆)】全国の高裁で口頭弁論が始まりました

【1人1票裁判(2021衆)】全国の高裁で口頭弁論が始まりました

【追加 2021.1.28】
【高裁の判決期日が全て決まりました。各高裁の判決期日は文末の一覧表をご参照下さい。】

12/21より、全国の高裁で口頭弁論が始まりました。

原告の主な主張は、以下のⅠ~Ⅶです。

Ⅰ 「違法判断の基準時」の解釈基準(判例)の不当な変更:(準備書面(2) 1~3頁 参照)
平成30年の留保付き合憲判決は、昭和51年大法廷判決の採用した「違憲判断の基準時」の解釈基準(判例)を、なんら判決文で説明することなく、不当に判例変更した。

Ⅱ ① 憲法56条2項;② 前文第1項第1文後段と1条;③ 前文第1項第1文前段は、人口比例選挙を要求する:(準備書面(2)3~8頁;準備書面(1) 63~75頁 参照)
2009年から一貫して主張している【統治論】の議論です。

Ⅲ 国会議員主権国家
非人口比例選挙の場合は、全人口の過半数未満が選出した国会議員の過半数の意見が、全国民の過半数が選出した国会議員の半数未満の意見に対して、勝利し得る。
即ち、全国民の半数未満から選出された【国会議員の過半数】の意見が全国民の過半数の意見に勝利することが生じる。
非人口比例選挙は、国会議員主権であり、憲法の国民主権の理念(憲法1条、前文第1項第1文後段)に反する。(憲法1条、前文第1項第1文後段違反)

Ⅳ 現時点では、人口比例選挙説又は基本人口比例選挙説の憲法研究者等が36人(但し、故人を含む)であり、非人口比例選挙説の憲法研究者は0人(但し、故人を含まない)である:(準備書面(1)76~77頁; 準備書面(2)8~9頁 参照)

Ⅴ 事情判決の法理は、天使の法理である:(準備書面(1)第5章96~109頁 参照)
昭和51年大法廷判決では提訴された選挙区は千葉1区のみであったので、千葉1区の選挙を無効にすると、千葉一区の選挙みが無効となり、未提訴の他の選挙区の選挙が有効であるという、いわゆる凸凹現象という不都合は生じた。そこで、最高裁は、事情判決の法理を採用して「選挙は違憲だが、無効にしない」と判決した。
しかし、本件選挙では、①提訴された選挙区は一部の選挙区ではなく全289選挙区であるから凸凹現象は起きず、また②本件選挙は小選挙区と比例区との併用で、比例区の議員だけで衆院の定足数を満たすので、小選挙区選挙が無効となっても衆院は100%有効に国会活動を行える(昭和51年判決〈昭和47年選挙〉当時は比例区併用ではなかった。)ので、昭和51年大法廷判決が採用した事情判決の法理で選挙を無効としない事情がない。
従って、本件選挙は憲法98条1項に従って無効と判決される。

Ⅵ 憲法は、できる限り人口に比例する選挙を要求する:(準備書面(1) 133~138頁 参照)
原告は、憲法は、選挙区間の議員一人当たり有権者数をできるだけ同じにするよう(実務上可能な限り1対1になるよう)な選挙区割りを要求していると主張している。
実務上可能な限りの実例を挙げれば、米国連邦下院選挙(例えばフロリダ州)では、全27小選挙区のうち、22選挙区の議員1人あたり人口は696,345人で、残りの5選挙区の議員1人あたり人口は696,344人であり、選挙区間の人口差は1人である。(甲38)
他方、本件選挙では、選挙区間の有権者数の最大較差は248,474人である。日本と米国では、「5桁」レベルの差がある。日本の選挙区間の人口差は、異常である。

Ⅶ 一票の投票価値の平等(1人1票等価値)からの乖離が、合理的であること立証責任は、国にある:(準備書面(1)139~144頁 参照

最後に:(準備書面(1)163~168頁 参照)
1 ロバーツ現米国連邦最高裁判長官の言葉:『政治部門(即ち、米国大統領米国連邦議会)は、国民のために活動し司法は、国民のために活動するのではなく、憲法のために活動する。ロバーツ米国連邦最高裁首席判事講演録2018年10月16日(ミネソタ大ロースクール)(冒頭の発言は8:14~12:08)
2 大谷直人最高裁長官の新任判事補宛訓示:「なぜ敗訴した側の主張が採用できないか、判決の中できちんと整理して示すことが必要だ

【主張書面】
【原告】
① 訴状
② 準備書面(1)
③ 準備書面(2)
④ 準備書面(3)
⑤ 証拠説明書(1)(2)
⑥ 甲1~133

【被告】
① 答弁書・証拠説明書
② 乙1~29

【期日日程】

裁判所 弁論期日(2021・2022年) 判決期日
高松高裁 12/22(水)14:30 2022/2/1(火)14:30
東京高裁 12/24(金)14:30 2022/2/2(水)15:00
大阪高裁 12/28(火)10:30 2022/2/3(木)14:30
札幌高裁 12/22(水)11:00 2022/2/7(月)15:00
仙台高裁 12/23(木)10:00 2022/2/8(火)15:00
広島高裁 岡山支部 2022/1/27(木)14:30 2022/2/10(木)15:00
仙台高裁 秋田支部 12/21(火)11:00 2022/2/15(火)13:30
広島高裁 松江支部 12/27(月)13:30 2022/2/16(水)13:10
福岡高裁 宮崎支部 2022/1/19(水)15:00 2022/2/16(水)14:00
名古屋高裁 12/27(月)13:45 2022/2/16(水)15:00
福岡高裁 2022/1/12(水)14:30 2022/2/21(月)16:00
名古屋高裁 金沢支部 2022/1/27(木)13:30 2022/2/24(木)14:30
福岡高裁 那覇支部 2022/1/20(木)14:30 2022/2/24(木)15:00
広島高裁 2022/1/14(金)14:00 2022/3/9(水)14:00

コメントを残す

Return Top